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乳之書
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巨乳ファンタジー

村上春樹『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』謎、解読
 村上春樹先生の最新刊『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』を昼前に買って読んだ。
謎解きはほぼ全部終えた。メインのメッセージも理解できた。

 エンターテインメント的な面白さや謎解きの仕掛けは、『1Q84』の方が遥かに上だ。『1Q84』の方がグランドデザインがある。マクロ的である。

 対して本書は、「主人公と友人」「主人公と彼女」という、非常に小さな半径の円をめぐる物語である。非常にミクロ的である。『1Q84』ほどのミステリー性はないし、大きな風呂敷もない。非常に個人的な風呂敷の上の物語である。

 ネタバレがあるので、未読の人は読まないように。

 主人公の自己イメージは、すでにタイトルに示されている。
 英語のタイトルは、Coloress Tsukuru Tazaki and His Years of Pilgrimage。色彩を持たないとは、英語でcolorless。
 
 物語は、現在36歳の多崎つくるが、過去の回想と現在とを行き来するような形で語られる。

 主人公多崎つくるの高校時代4人の友人は、名字に「赤」「青」「白」「黒」の色が入っている。男性2人のあだ名がアオとアカ。女性2人のあだ名が、シロとクロ。名字の通り、4人とも色のついた存在、個性的な存在だ。しかし、主人公は多崎つくる。色がない。そして、名字の通り、主人公は自分には色がないと思っている。

 それでも、主人公を含めた5人の関係は、五本指のようにパーフェクトだった。完全な調和を保っていた。多崎つくるは、調和を乱したくないと願う。同時に、なぜ色のない自分が4人と付き合えているのかと悩む。悩みながら、調和から追い出されることを恐れ、そうなりたくないと思う。

 5人の間には、まるで問題はなかった。完璧な調和のままだった。だが、大学2年の夏、突然理由も告げられずに多崎つくるは4人から遮断されてしまう。もう連絡をしないでくれと告げられる。絶交である。多崎つくるは精神的な危機を迎え、5カ月の間、死への希求を抱く。

 物語は、なぜ多崎つくるが4人から拒絶されたのか、謎をたどっていく形で語られていく。同時に、どうやって死への希求から逃れたのか、そして36歳の多崎つくるといい感じの女性(木元沙羅)との関係も語られていく。

 読み進むにつれて読者は、多崎つくるが拒絶された理由を知ることになるだろう。

●主要な登場人物

・多崎つくる……主人公、36歳。
・木元沙羅……主人公と肉体関係。彼女。
・赤松慶……男性。高校時代の友人。通称、アカ。
・青海悦夫……男性。高校時代の友人。通称、アオ。
・白根柚木……女性。美人。高校時代の友人。通称、シロ。
・黒埜恵理……女性。巨乳。高校時代の友人。通称、クロ。
・灰田……主人公の大学時代の年下の友人。
・緑川……灰田の父が大学時代に出会った不思議な人。

●解読のためのキーワード

「限定的」……主人公の志向や趣味を形容する言葉。主人公の他人に対する関わり方が、限定的であることを示唆。

「完璧な調和」「完璧な五角形」……高校~大学2年までの主人公とアオ、アカ、シロ、クロの関係。アオは「おれたちはある意味、パーフェクトな組み合わせだったんだ。五本の指みたいにな」と言っている。

「枠」……調和と同義。「どんなことにも枠がある」「枠を壊すことを恐れてはならない。人が自由になるためにはそれが何より大事」と文中にはある。

「性的関心」……調和を乱すものとして主人公たちには否定的に捉えられているが、後半、肯定的なものとして捉えられることになる。枠を壊すために必要なものの象徴。

主人公は調和を乱さないため、すなわち枠を壊さないために、シロとクロに対する性的関心を押し込め、限定的になる。マスターベーションの時、多崎つくるの頭にはシロとクロが浮かんでしまう。そのことに対して罪の意識を持っていた。「性的な関心をどこかに押し込めなくてはならなかった。五人の調和を乱れなく保つために」と主人公は述べている。
 またシロは、性的関心に対してクローズしていて、クロの性的な話に乗ってこなかった。

「性夢」……4人に関係を切られて、4人を忘れようとしてから、見るようになる。性夢には、必ずシロとクロがワンセットで現れ、3Pを行い、必ずシロに挿入する。

「六本指」……枠を壊した状態、調和から外れた状態のシンボル。

「悪霊」……シロに取り憑き、シロを殺したもの。クロは、シロには悪霊が取り憑いていたと指摘している。悪霊とは、性的関心を押し込め、調和を過度に守ろうとする心のこと。

「悪い小びと」……2つの読み方ができる。1つは、怯えやつまらないプライドのこと。もう1つは、『1Q84』のリトルピープル。ぼくは、前者を取る。

「ル・マル・デュ・ペイ」……『巡礼の本』という曲集の第一年、スイスの巻に入っている曲。「ル・マル・デュ・ベイ」とは「田園風景が人の心に呼び起こす、理由のない哀しみ」のこと。田園風景とは、記憶のこと。もう少し言うと、完璧な調和のこと、あるいは自分がまだ壊していない枠のことを意味している。

●多崎つくるの問題

1.枠への恐れ。調和を乱すことや調和から追い出されることへの恐怖(枠を壊すことへの恐れ)が強かった。「自分がその共同体からはじき出されるという不安」「暗い不吉な岩」と多崎つくるは言っている。

2.多崎つくるは傷つくことを恐れて対人関係において限定的に振る舞い、自分を第三者的なポジションに置く。そのため、木元沙羅は主人公とのセックスの際、主人公が自分と抱き合っているのではなく、すぐそばに離れているように感じる。「あなたに抱かれている時、あなたはどこかよそにいるみたいに私には感じられた」。また木元沙羅は、多崎つくるに対してこうも言っている。「相手とのあいだに適当な距離を置くようにしていた」。しかし、「問題の本質はそれだけではない」。問題の本質は、傷つくことへの恐れだけではなく、枠への恐れもあるということ。

3.多崎つくるは、自分を空っぽな容器と感じていて自信がなく、それで周囲が離れるのではないかと考えている。「自分の中には根本的に何かしら、人をがっかりさせるものがあるに違いない」「色彩を欠いた多崎つくる」。

●選択するということの意味
 作品中では、選択肢Aと選択肢Bのうち、とりあえずAを選ぶこと、あるいはとりあえずBを選ぶこととされている。その時、100%Aを選ぶか、100%Bを選ぶかしかない。

 アカは、セミナーで爪を剥がされるとして、手の爪がいいか足の爪がいいかという選択を迫るという話をしている。そしてその行った選択についてはそれほど意味がなく、恣意性が強いことを示唆している。「どちらかを選ばなくてならないから選んだだけ」。だが、その選択によって、人はリアルライフに出会うことになる。「本物の人生にようこそ」。

 4人が多崎との関係を切る時、クロは100%シロを選ぶか、100%多崎を選ぶかしかなかった。そして、シロを選ぶ。「私としてはどちらか百パーセントを受け入れ、どちらかを百パーセント捨てるしかなかったの」。

 多崎つくるが死への希求に悩まされていた時、夢の中で一人の女性を求める。彼女は主人公に対して、自分は肉体か心か、どちらしか与えられないと言う。その時嫉妬が生じて、死への希求を断ち切ることができる。

 どちらかを選択するということによって、死への希求から脱出したということだ。選択は恣意的であるが、全的に選択することによって、リアルライフが表れるという考えが、ここでは提示されている。

●シロとクロ
 シロとクロは多崎つくるの中では1つとして扱われる。両者は分離していない。
 4人の関係が遮断される、すなわちシロとクロとの関係も遮断された後には、灰田(グレー)が友人として登場。シロ+クロ=グレー。シロとクロを混ぜるとグレーになる。これは、シロとクロが分離されていないことを示している。

 シロとクロは多崎つくるの中では1つの存在として扱われているため、4人の関係が遮断された後、多崎の性夢に必ず2人はワンセットで現れる。

 緑川の話を聞いた後は、シロとクロの2人とセックス、でも、シロに挿入。射精すると、なぜかグレー(灰田)が受け止める。

 シロへの志向は心を選択することを、クロへの志向は肉体を選択することを意味する。シロに挿入するとは、肉体=クロを選ばず性的関心を押し込めたことを意味する。グレー(灰田)が射精を受け止めるとは、主人公が選びきれていないことを意味する。

 肉体か心かの二元法は、木元沙羅にも現れる。木元沙羅は、実は中年男性と付き合っていることが終盤に暴露される。

 沙羅と主人公の関係は、沙羅にとっては肉体を求めている。
 沙羅と中年男性との関係は、沙羅にとっては心を求めている(「つくるにとってショックだったのは、沙羅が心から嬉しそうな顔をしていたこと」)。

●色と空っぽに対する認識
 多崎つくるは、自分が空っぽの容器だと思っている。また、色彩の欠けた存在だと思っている。

 しかし、物語中盤から終盤にかけて、再会した高校時代の友人から「おまえは空っぽなんかじゃない」」「君は色彩を欠いてなんかいない」「どこまでも立派なカラフルな多崎つくる君だよ」と言われ、認識を改めていくことになる。

●本当の調和
 心と心の調和ではなく、傷と傷によって深く結びついていることを主人公は認識する。そして、自分の性的関心を引き受ける。

「人の心と人の心は調和だけで結びついているのではない。それはむしろ傷と傷によって深く結びついているのだ。痛みと痛みによって、脆さと脆さによって繋がっているのだ」。

 結果、シロ=クロの未分離が終了。そしてクロはクロとしてではなく、エリとして登場、エリとして語られることになる。
 
 終盤に登場する、夢の中の黒衣の女性。黒い電話器。両者は、主人公が性的関心を引き受けたことの象徴。

 主人公は木元沙羅に正直に気持ちを打ち明ける。
「あなたが素直になったから、私も素直になる」と沙羅も答える。

 多崎つくるの問題は解決。

1.調和=枠を壊した(完璧な五角形の世界から、六本指の世界へ)
2.限定的な、第三者ポジションの振る舞いから、全的な関わりへ。
3.自分が空っぽの容器であることに対する、受容と新解釈。

●クロ⇒エリの変更
 物語終盤までは、クロはクロとして語られ、終盤ではエリとして語られる。そのことが示すのは、「クロ=シロ」=「グレー」という一体化、未分離の状態が消えたということ。

●駅
 多崎つくるは駅に惹かれている。その興味のまま、駅舎をつくる仕事をしている。
 駅は、ある意味容器である。
 人がそこにやってきて、夜の鳥のように去っていく。駅は、多崎つくるのまわりの人とのポジショニングを象徴している。

●なぜ、シロは主人公に強姦されたと嘘をついたのか?

 主人公と同じく、シロもまた自分という完全な調和を守ろうとしていた。だから、性的関心やセックスという「六本指」を締め出そうとした。そのために主人公をスケープゴートにしたが、調和を守り、枠の中にとどまり、枠を壊すことから逃げたため、結局死ぬこととなった。
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